地区連盟は8月28日、参議院議員・徳永エリ氏、北海道議会議員・鈴木一磨氏を講師に迎え、市町村組織役員ら約60名参加のもとで農政学習会を開催した。
梅田俊則委員長は主催者あいさつの中で、「いま農業は大きな転換期を迎えている。コロナが始まり、ウクライナの戦争、そして円安ということで我々は三重苦の中で営農しているが、自助努力ではもはや限界を超えている。この難局を打破するにはやはり国会議員、道議会議員の方に直接訴えて動いてもらう必要がある。みなさんの畑からの声、牛舎からの声をぶつけてもらいたい。」と述べた。
徳永参議は直近の政治情勢、国政課題やこれまでの取組みについて説明し、食料安全保障上、土地と水と技術が絶対に必要であるとしたほか、燃油・肥料・飼料の価格高騰対策ならびに畑作、酪畜それぞれの現況課題など組織提言に対する現状について語った。
また、鈴木道議からは道の価格高騰対策、道議会における議論などが説明された。
参加者との意見交換では、「酪農はいま災害的、危機的状況で毎日が赤字。飲用乳は11月から10円上がるが道内では2円。初妊牛、ヌレ子、廃用牛など副産物価格もすべてにおいて過去最低レベル。一刻も早く、何としてでも畜産農家が安心して年を越せるようにしてもらいたい。」「先の話ももっともだが、今が大変で来年は今年よりも絶対悪くなる。牛の価格もホームセンターのペットよりも安い。年間一頭しか生まれないのに、それで餌代を払うのは辛い。」といった要望に対し、徳永参議は「危機感は共有している。野村哲郎農林水産大臣が就任し、生産者の苦しい状況もわかっていると思うので、国会が開いたら政府に対応を求めたい。次の国会から参議院の農林水産委員会の野党筆頭理事に戻るので、みなさんから数字等も伺いながら、説得力を持って農水省や財務省に伝えていく。現場の皆さんが安心して続けられるような環境を作るために、とにかく必死で戦っていかなきゃいけない。」と回答した。
また、「肥料対策で国が7割補填を出してきたが、計算すると7割には満たない。これではさすがに足りないので、7割しっかり出してもらいたい。道も21億円措置してもらったが足りない。」「単年度対策だが、肥料が来年度以降下がる見通しはなく、作物の価格上昇も考えられないとなれば、単年度でなく持続的に対応してもらいたい。」という意見に対し、徳永参議からは「全然足りないと思っている。今回の肥料高騰対策は政府の緊急経済対策の一環で、農水省主導の以前の対策とは違う。委員会を開いて、平場で大臣とやり合わないとなかなか動かない。中長期的な費用を確保できるように、農家負担を軽減できるようにしっかり議論したい。」と回答し、鈴木道議からは「この問題は党派を超えたもので、肥料価格が78.5%上昇する中でその賄いが出来ているのかという話は委員会でも出ている。しっかり取り組んでいきたい。」と回答した。