本連盟は連盟は6月29日~30日の両日、梅田俊則委員長はじめ各組織代表37名参加のもとで「中央要請行動」を実施した。
道内選出国会議員との意見交換では、石川香織衆議、勝部賢志参議が出席し、参加者からは畑作の交付金単価や加工原料乳生産者補給金の算定見直し、てん菜の作付に対する要望などが出されたほか、6月の津別町での降雹被害と共済基準見直しなどの意見が出された。石川衆議は「単価の期中改定は言い続けていく必要があるし、算定式の内容や機械的な計算は現状とマッチしていない。てん菜については俯瞰で見ている人がいないため、減らし過ぎた時に元に戻れない。農水省は先々のところまでみてほしい。」とした。なお、当日出席が叶わなかった徳永エリ参議、神谷裕衆議については出席した秘書に提言書を手渡した。
道12区選出の武部新衆議には地区三役対応で意見交換を実施し、オホーツク地域の生産者の経営状況について説明するとともに、経営安定に対する支援強化を求めた。また、船橋利実参議の秘書にも提言書を手渡した。
続いて、農水省担当各課への要請では提言書に対する回答を受けた後、意見交換を実施した。
生産資材価格高騰対策では提言項目に加え、本連盟で例年行っている経営動向調査の結果を示して支援と現状の差を指摘したが、肥料については「令和5肥料年度以降は地域単位で化学肥料低減の取組を支援する」、飼料については「配合飼料価格安定制度の補填金算定期間を1年から2.5年に延長する新たな特例を設ける」という回答に留まった。参加者からの「農家ごとに肥料成分が異なり、一律では高騰分を賄えない。それならば肥料メーカーに支援して価格抑制してはどうか。」との意見には「それも検討したが、同様の仕組みで支援したガソリンでは国民の購入価格にどこまで反映できたか疑問で、税金投入額に対する農家の受益が小さくなる懸念から適切でないと判断した。」としたほか、高騰率が一律という点には「今回は客観的なものとして統計調査のを用いたが、今後北海道としてどういったデータを示せるか知恵を出してもらえれば。」とした。
畑作対策については基本法見直しにおける有事の作付転換、増産については、「報道は非常に極端な例であり、基本的な対処方針を定め、根拠となる法整備を検討する」としたほか、作物別の要望については従来回答を踏襲するものとなった。参加者からの「昨年、てん菜の方針が決まったが、輪作する中で令和8年以降の状況が不明では安心して作付けできない。」との声には、「営農計画が1年単位でないのは認識した上で、毎年度調整金収支の状況や需要動向、糖業経営などを検証していく。」とし、「国産小麦・大豆供給力総合対策事業の活用が難しいので要件緩和してもらいたい。また、大豆の需要はこの先どうなのか。見通しはあるのか。」との問いには、「この事業は水田で3年やっており、畑地は今回初めて。予算の兼ね合いもあり、要件設定は少し厳しすぎた。来年に向けて要望を踏まえて緩和できるところは進めたい。海外依存度を下げるためにも小麦大豆の増産は継続的に必要で、大豆関連業界では5年後に国産25%増という希望が出ており、もっと伸びると思っている。」としたほか、種芋やシストセンチュウなどに対する意見が出された。
酪農・畜産対策ではこれまでの対策、また3月に決定した「畜産・酪農緊急対策パッケージ」において対策を実施するとした。参加者からの「いまの補給金算定式では経営を支えるものになっておらず再考願いたい。」との意見には、「補給金算定は少しずれているという話もあった。ご意見を伺いながら引き続き検討したい。」としたが、「離農が加速しており、3年経って出来ましたでは遅い。スピード感をもってやってもらいたい。」と早急な対応を要望した。
30日には㈱農林中金総合研究所を訪問し、小田志保・主任研究員を講師に「スマート農業を利用した今後の農業」についての研修を行った。