北海道農民連盟は7月19~20日にかけて、梅田俊則・畑作野菜対策委員長はじめ各地区代表ら38名(本連盟より石井博幸・対策委員長はじめ15名)の参加により、畑作・野菜対策中央行動を実施した。
本行動では、農水省対策各課、国交省、厚労省、消費者庁の担当部署に要請を行うとともに、道内選出国会議員に対する要請も行った。
要請内容としては、Ⅰ.畑作物の国境措置の確保、Ⅱ.持続的な畑作農業の政策確立、Ⅲ.畑作物の生産振興策の充実・需要確保対策の強化、Ⅳ.野菜政策の強化を図る支援策の拡充・強化、Ⅴ.食の安全・安心に関する制度の厳格化、Ⅵ.肥料高騰等対策の拡充強化、生産資材の安定確保の各項目について要請し、回答を得た。
続く意見交換では、畑作物の直接支払交付金について「今の算定式では努力してコスト削減しても引き上げにつながらない」「次の改定までの3年で農家がもたない。期中改定含めて検討を」などの意見が出されたが、「経営安定の維持が一番重要。いまの算定において北海道がメリットを受けている部分がある。期中改定はなかなか難しい。高騰対策は補正で対応している」とした。参加者からは「補正で対応というが、その肥料対策は全く足りない。きちんと予算付けしてから言え。非常に怒っている」として改善を強く求めた。
てん菜については「地元糖区でも今年500haほど減った。今後すぐ増産と言っても困難で、安定的に作って国産で賄うべき」という意見に「糖価調整制度は特権的制度(独自財源があり、国内産原料糖生産に対して支出)であり、制度維持が非常に重要」とした。「輸入糖や加糖調製品からの調整金が財源の制度では、結局てん菜生産を縮小していくことにしかならない。別の政策が必要ではないか」との再質問には「輪作体系と需要に合った生産のバランスが重要。畑作経営全体を見て作物の組み合わせを考えていきたい」と回答し、糖価調整制度の是非、他制度への言及はなかった。
肥料高騰対策には多くの意見、継続した高騰対策の要望が伝えられたが、化学肥料低減定着対策(地域を対象に上限500万円)の実施以外で地区中央行動以上の回答は得られなかった。引き続き、基本農政対策中央行動で粘り強く訴えていく。