北海道農民連盟は7月30~31日にかけて、出嶋辰三・酪農畜産対策委員長はじめ全道の組織代表22名(本連盟より梅田俊則・対策委員長はじめ7名)の参加のもと、酪農・畜産対策中央行動を実施し、農水省畜産局、消費・安全局ならびに道内選出国会議員らに要請した。
要請内容としては、Ⅰ.国内酪農・畜産の存続に向けた基本政策の確立、Ⅱ.安定した生乳生産に資する需給安定対策などの構築、Ⅲ.経営安定に資する所得安定対策の確立、Ⅳ.生産現場の実情を踏まえた生産基盤強化対策の継続・強化の各項目について要請し、回答を得た。
参加者との意見交換では、日米関税の交渉合意を受けて「依然としてTPP枠にアメリカ枠が入っている一方、米国とは日米貿易協定を結んでおり不公平。TPPと日米協定は分けてSGを発動させるべき」という意見に農水省は、「我々も同じ認識を持っている。しかし、TPPは加盟国が多く、日本が内容を変更するのであれば自分の国も変更したいということになり得る。難しい現状だが今後も忘れずに関係各国には伝えていく」と回答した。
他方、新たな酪肉近について「北海道は増産となったが、生産者は赤字を出してまで増産はしない。増産には再投資が必要であり、所得が残るように酪農マルキンなどの制度が必要」との訴えには、「今年度の緊急対策で酪肉支援資金を措置し、既往の償還負担を減らすための支援を行っている。こうした支援を活用して、少しでも投資に振り向けられる環境を作りたい」とした。
また、「昨年と比べシカの数が増えている。病気の懸念もあるため一挙に頭数を減らすような対策は無いのか」との質問には、「道内では今70万頭程度生息しており、捕獲が何よりも大事だが追い付いていない。雌個体の捕獲率を上げる方法など、有効な対策を検討していきたい」とした。