本連盟は6月4日、オホーツク総合振興局において意見交換を実施し、各組織代表など55名が参加した。例年、この時期に地域農業の課題等を共有・改善することを目的に開催しており、昨年に続いて対面で実施した。振興局からは産業振興部農務課・塚田課長をはじめ11名が出席した。
梅田委員長は主催者挨拶の中で、「改正基本法が参議院で可決されたが、期待に反して現場とは乖離がある。現場で受け入れ可能な農業政策でなければ食料安全保障にも寄与しない。道政を担う振興局の皆さんと意見を交わし、政策に反映していただきたい」とした。
意見交換内容としては、①病害虫(ジャガイモシロシストセンチュウなど)対策②畑作・野菜対策③酪農・畜産対策④鳥獣害対策⑤農畜産物輸送の各項目について要望を提出し、回答を得た。
質疑応答では、病害虫対策について「シスト既発生圃場で種子馬鈴しょが生産できないことで輪作体系が崩れ、生産技術も失われる状況にあり、振興局の皆さんの地元の問題として生産再開を進めてもらいたい」との意見に「基本方針に基づくまん延防止をオホーツクで頑張っているという姿勢のもとで国に訴えていきたい」とした。
畑作対策では「コスト削減、減肥はすでにやっており、交付金等の条件に減肥等を求められても限界があることを理解してほしい」や「急激なコスト増などの場合にこうなったらこう支援するという明確なルールがあれば経営が見えるので、国に伝えてもらいたい」といった要望が出され、「地域の声として伝えていきたい」とした。
酪農・畜産対策では「後継者はいるが先が見えず、経営は自分の代で終わりといった形で離農する酪農家が増えている。戸数が減ると需給バランスも狂ってしまい悪循環となるため、しっかりとした支援が欲しい。」との要望には「農家が再生産できる体制を整えていきたいと考えており、金融機関や道庁に対して要望している」とした。
また、鳥獣害対策では「鹿柵事業の圃場に対する条件を緩和してほしい、鹿柵要望が非常に多い」との意見に「会計検査の関係もあり条件が厳しくなった経過があるが、希望が多いので予算確保とともに国へ要望していきたい」としたほか、ヒグマ駆除・捕獲に関する意見が交わされた。
農畜産物輸送での「圃場から工場への搬入が滞る事態に対して道内の大規模工事との取り合いを改善してもらいたい」との意見には「JA等関連団体から情報収集を進めており、今後まとめて活用していきたい」と回答した。