北海道農民連盟は7月18日~19日の両日、出嶋辰三・酪農畜産対策委員長はじめ全道の組織代表21名(本連盟より梅田俊則・対策委員長はじめ7名)参加のもとで酪農・畜産対策中央行動を実施し、農水省畜産局、消費・安全局、農産局担当課ならびに道内選出国会議員らに要請した。
要請では、2023年度の酪農・畜産基本政策の確立に向けて、Ⅰ.国内酪農・畜産の存続に向けた基本政策の確立、Ⅱ.万全な生乳等需給安定対策などの構築、Ⅲ.経営安定に資する所得安定対策の確立、Ⅳ.生産現場の実情を踏まえた生産基盤強化対策の継続・強化を求めた。
参加者との意見交換では、①「生産抑制している中、規模拡大した人は乳量を増やせず返済が厳しい。どうすればいいのか」との意見に対し、「生産抑制は農水省がやれと言っているわけではない」と企画課が回答、②他の参加者より「そう言うのであれば次に生乳が余っても、脱脂粉乳が増えても我々は絞る」という意見が出され、牛乳乳製品課が「失礼なことを言ったようでお詫びする。厳しい中で生産調整していることも承知しており、農水省も無関係ではないため、支援しながら生産を安定させていきたい」と謝罪するなど、生産者と農水省の認識の違いのみならず、農水省内でも本音と建前が見え隠れすることとなった。
また、「減産相当分がカレントアクセス(CA)で輸入されているが、国内需要を国産で賄うことが先決だ」という意見には「国家貿易で約束させられた分。CAでの輸入は国産品と価格を調整して売り渡し、差額が補給金の原資となるので、輸入して還元している実態もある」と回答し、「では、輸出を増やしては」という意見には「交渉中断している日・GCC(中東6ヵ国)が2024年中再開で合意したので、農産物を多く輸出できるのではないか」とした。
飼料の関係では「てん菜作付面積が減少し、ビートパルプが確保できない。配合飼料価格安定制度の対象に出来ないか」との質問に対して、「価格安定制度は輸入原料の価格変動による経営への影響を与えないよう設計されており、国内で生産可能なビートパルプを対象に加えるのは困難」との認識を示した。