本連盟は5月8日、北海道議会「民主・道民連合」会派ならびに北海道庁への要請行動を実施した。本要請行動は北見市選出の鈴木一磨・道議会議員と本連盟役員との農業情勢に関する意見交換を通じて実現したもので、梅田俊則委員長、洞政義書記長、事務局が参加した。
時間的制約があったことから執行部で協議し、項目としては①酪農・畜産農家に対する既往資金の償還延長や返済負担を軽減する金融対策、②牛のサルモネラ症が発生した農家に対する経営安定支援対策、③てん菜・砂糖の今後の位置付けと展望の明確化、道として国に求める安定生産体制構築対策、④農畜産物輸送にかかる円滑な輸送体制構築対策の4点に絞り要望書を作成した。
まず最初に行われた民主・道民連合会派への要請では、梶谷大志会長(札幌市清田区)、池端英昭幹事長(石狩地域)、中川浩利政審会長(岩見沢市)ら10名の道議に対し、要望書に基づき要請を行った。道議からはてん菜の現状について質問が出され、国の示す面積を割り込む状況では製糖工場や地域経済へ影響が波及すること、輪作体系が維持できないこと、仮に小麦や大豆へ転換しても出口対策が不十分であること等の課題について説明し、対策を求めた。
続いて、北海道庁に対する要請では、農業分野を担当する三橋剛副知事に要請を行った。三橋副知事は「食料安全保障がクローズアップされ、その中での北海道の役割がますます高まっていく中で、北海道の生産力を維持・強化していくために必要な部分、というご要望だと受け止めさせていただきたい。北海道の農業の位置づけは私もとても大事だと思うし、これからますます高まると思う。基本法が四半世紀ぶりに改正され、今年度中には基本計画が策定されるという中で、北海道農業の重要性を位置づけてもらえるような取組もしっかりしていかなければいけないと思う」として、今後も生産現場とやりとりをしながら進めていく考えを示した。
その後、場所を移し道農政部に対する要請、意見交換を実施した。農政部からは水戸部裕部長、大浦正和次長はじめ、黒島農政課長ら各課の課長6名が出席した。水戸部部長は挨拶の中で、「基本法改正、基本計画見直しということで、いま北海道が声を上げなければいつ上げるんだという強い意識を持って知事に説明をしてきた。私どももこうして地域の声を伺い、国との意見交換を頻繁にやりながら基本計画に北海道の実情が反映されるように取り組んで参りたい」として道の基本姿勢を示した。
要請項目に対しては、①農林漁業セーフティネット資金の特例措置について本年6月までの期限だが、国に更なる延長を要望している。また、スーパーL資金では公庫資金が借り換え可能となる拡充がなされるなど、資金償還困難時の対策は様々講じられており、国から金融機関へ既往負債の返済猶予等に配慮を求める要請通知も出しているので、農協や日本政策金融公庫などに相談してほしい。②サルモネラ症について一番重要なのは発生させない、そのための予防技術の実践ということで、技術的指導を家畜保健衛生所が行うことが前提となる。発生した際には地域の防疫組合を交えて相談してもらいたい。③てん菜の状況については、昨年を踏まえて本年の生産意欲にも影響が出ていると承知しており、令和8年度以降の展望の明確化を要望いただいたと受け止めている。道としては重要作物であるという考えは変わらず、猛暑に対応した技術普及や品種開発、国に対する予算確保などを求めて取り組んで参りたい。④物流事業者、経済/産業団体、行政によるWGを開催し、道内物流の現状・課題共有を進めている。農業分野については道農政部が各振興局を通じて、2024年問題にかかる対応状況について、道内JA等から緊急に情報を収集するなど、現在の物流の実態把握に努めている。などと回答した。
本連盟としては今回の要請、意見交換の結果を踏まえ、6月の振興局との意見交換や7月予定の中央要請行動などでオホーツク地域の課題解決、現場要望の政策反映を引き続き求めていく。