平成27年 新年のご挨拶

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地域一丸となった強力な農民運動の展開を!

北見地区農民連盟 委員長 川崎 伸一

平成27年の新春を生産者盟友の皆さまと共に迎えられたことに心よりお慶び申し上げます。
東日本大震災の発生以降、より一層具体的な国産食料生産における「食の安全・安心」を基軸に、『信頼』を含めた国産農畜産物の安定供給に、我が国の生産現場はこの先も、総力を上げて対策に取り組んでいかなくてはなりません。そのような中、昨年度の本道農業は、春先の十勝地区を中心とした強風や霜害等があったものの、オホーツク地域は、5月の定植最盛期以降も天候に恵まれ、順調なスタートを切ることができました。
一方で、6月3日に観測史上最高気温となる37.2℃を記録した猛暑の影響等が心配されましたが、その後の適度な気温と『恵みの雨』が良好な生育をもたらしました。近年、オホーツク管内は各作物の収量減少・品質低下による農作物被害が続いていただけに、昨年の『出来秋』はやっと安堵できる『実りの秋』となりました。しかしながら、12月17~18日にオホーツク地域を中心に襲った【超猛烈低気圧】の影響により、当地・北見市は日量の降雪量が観測史上最多となる激しい暴風雪に見舞われ、改めて自然の猛威を肌で感じる昨年の師走となりました。
そのような気象状況の中、国内農業政策において安倍政権は、政府諮問機関である「規制改革」及び「産業競争力」両会議での提案を踏まえ、農協改革を基軸に農業委員会・農業生産法人の要件見直しを求める農政改革を、『農林水産業・地域の活力創造プラン』に盛り込みました。しかし、今次の規制改革会議等の農政改革案とは、効率優先・構造改革の推進と競争力強化等、徹底した経済論理を一層強めており、生産現場の実態・意見などを一切無視した極めて一方的な提案で、生産者を混乱と不安に陥れております。これに対し本連盟では、上部組織・道農連とともに食料の安定供給と多面的機能の発揮を目指す【真の農政改革】を基本に、農業・農村を担う「家族農業」が持続可能な政策の実現に向け、引き続き運動を展開してまいりました。本道農業は、専業的経営を主体に、安全・安心な食料の安定供給と、国土・環境の保全など多面的機能の発揮に大きな役割を果たすとともに、本道経済・社会を支える重要な基幹産業として発展してきました。また、本道農業者は、今日まで農地を優良に保持し、生産性・品質の向上等に不断の努力を行ってきました。今こそ、本道農業の持つ潜在生産力を最大限に発揮し、再生産可能な農業・農村の確立を図るため、家族農業の視点に立った農政改革が求められています。

このため、本連盟は各関係機関・団体の総意を結集し、TPP交渉即時脱退における全道集会や、中央要請行動における各種要請行動等を断続的に行ってまいりました。その他、取引乳価の引上げや生乳共販強化対策、小麦・てん菜・馬鈴しょでん粉の畑作野菜対策、消費税増税対策等、積極果敢な農民運動に邁進してまいりました。皆さんからの絶大なご尽力を賜り、今年度もTPP交渉の『年内妥結』は見送られたものの、政治判断の意味合いを残し、2015年の春頃にも「合意ありき」に向けて進展することが予測されております。我が国は、加速度を増して混沌とする「内憂外患」の農業情勢の政局渦中において、依然として東日本大震災と福島第一原発事故の影響等にさいなまれる方々の復興支援対策を最優先に、地域社会や雇用の安定、食料自給率向上、医療の充実などを喫緊の課題として向き合っていかなくてはなりません。

日々刻々と変化していく国内外をめぐる農業情勢でありますが、「食料」と「環境」の時代に対応する農業生産者が、消費者(国民)の信頼と期待に応え農業・農村の持続的な発展と活力ある生産基盤体制の構築に向けて積極果敢に取り組むことが必要であります。そのために、本連盟は本年度も引き続き、「地域一丸」となった農民運動のもとで、現場の実態を強く訴え、【真の農政改革】の実現に向け、全力で運動展開して参りたいと存じます。
本年度も、生産者盟友の皆さまのご多幸・ご健勝と希望に満ちた実り豊かな年となりますよう、心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


迎 春   平成27年
謹んで新年のお慶びを申し上げます

北見地区・市町村農民組織 役職員一同