平成28年 新年のご挨拶

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地域一丸となった強力な農民運動の継続展開を!

北見地区農民連盟 委員長 川崎 伸一

平成28年の新春を生産者盟友の皆さまと共に迎えられたことに心よりお慶びに申し上げます。
国内外をめぐる農業情勢が加速度を増して混迷を極める渦中において、我が国の基礎食料生産における「安全・安心」を中心軸に、『安定供給』を含め、より具体的な国産農畜産物の生産体制に、本年度も、総力を上げて取り組んでいかなくてはなりません。
そのような中、昨年度の北海道農業は、度重なる暴風雪による記録的な降雪量で春先の融雪遅れが心配されましたが、オホーツク地域ではその後の好天に恵まれ、定植最盛期以降も各作物は回復基調で推移し、一部地域で5月24日にてん菜の再播・補植があったものの、概ね順調なスタートを切ることができました。一方、その後の干ばつ傾向や6月の低温・曇天に加え、8月には大雨・降ひょう被害などが散見されましたが、秋播小麦の収穫量は各JAで過去最高収量を記録するなど、各農作物に対して収量・品質ともに『実りの秋』が期待されました。
しかし、9月27日には再び、強い雨と局地的な降ひょうの影響などにより大きな被害が発生しました。とりわけ、玉ねぎ・豆類・とうもろこしは、全ての品種で成熟期の生育が極めて遅れていたことから、その後の天候・生育回復が望まれていた渦中で、10月2日の暴風被害に追い打ちをかけるかの様に、同月8~9日にかけて発生した台風23号の直撃により、オホーツク管内は【数十年に一度】と呼ばれる甚大な被害が各地域で発生しました。改めて、自然の猛威を肌で感じる昨年度を振り返り、被害に見舞われた生産者盟友には心よりお見舞いを申し上げます。
また、8月19日に確認された「ジャガイモシロシストセンチュウ」について、国は現在も同病の侵入経路や具体的な対応策を継続協議中であります。本連盟でも、オホーツク管内の各関係機関・団体と連携し、万全の基本防疫対策の周知徹底と情報提供などにしっかりと取り組んでまいります。
その様な状況の中、TPP交渉は10月5日、アトランタ閣僚会合において、これまで多くの国民や生産者などが反対していたにも関わらず、『大筋合意』を発表致しました。その後、農水省ではTPPの「影響分析」を3度公表しましたが、肝要となる農畜産物の市場開放による「局面変化」を考慮せず、現状の輸入実績及び流通データなどに基づき算出したことに加え、TPP合意内容を十分に検証する時間的余裕を与えずに国内対策に向かう政府対応に対し、国民各層より大きな批判が相次いでおりました。
このため、本連盟及び道農連は、各関係機関・団体の総意を結集し、TPP交渉の全容解明及び意味ある情報開示などを目的に、『合意撤回・国会批准阻止』における全道農民代表者集会や、中央行動における各種要請対策を断続的に行ってまいりました。その他、取引乳価の引上げや生乳共販対策、小麦・てん菜・馬鈴しょでん粉の基幹作物を中心とした畑作野菜対策、相続税及びマイナンバー制度に伴う税制改正対策や各業態別「研修会」の開催など、積極果敢な農民運動にまい進してきました。
我が国は今、加速度を増して混沌を極める「内憂外患」の農政課題の渦中において、北海道農業が持つ潜在生産力を最大限発揮し、再生産可能な農業・農村の確立を図るため、家族農業の視点に立脚した農政対策が求められています。また、地域社会との共存を主眼に雇用の安定、食料自給率向上、医療福祉の充実などを喫緊の地域課題として、真摯に向き合っていかなくてはなりません。
日々刻々と変化していく国内外をめぐる農業情勢でありますが、「食料」と「環境」の時代に対応する農業生産者が、消費者(国民)の信頼と期待に応え農業・農村の持続的な発展と活力ある生産基盤体制の構築に向けて積極果敢に取り組むことが必要であります。
そのために、本連盟は本年度も引き続き、皆さんからの絶大なご支援を賜り「地域一丸」となった農民運動のもと、現場の実態を強く訴え、政策提言【真の農政改革】の実現に向け、全力で運動展開して参りたいと存じます。
 本年度も、生産者盟友の皆さまのご多幸・ご健勝と希望に満ちた実り豊かな年となりますよう、心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


迎 春   平成28年
謹んで新年のお慶びを申し上げます

北見地区・市町村農民組織 役職員一同