道農連は8月9~10日に大久保明義委員長ら各地区代表24名(本連盟より4名参加)で基本農政対策中央行動を実施し、農水省担当各課に加え、内閣府、総務省へも要請を行った。
要請内容としては、①国際貿易協定などにおける国境措置の確保、②食料・農業・農村基本計画の実行性確保等、③環境負荷軽減に向けた取組への施策の強化と予算の確保、④多面的機能支払の拡充、農業生産基盤の強化等、⑤農業の持続的な発展に資する経営安定対策等の拡充・強化、⑥燃油・肥料・飼料など生産資材高騰対策、⑦情報通信網の環境整備等の各項目について回答を求めた。
国境措置の確保については、従来の回答を踏襲するに留まったが、米国が設置したIPEFでは関税交渉は行わないとの考えを示した。
環境負荷軽減については、みどりの食料システム戦略において脱炭素化の実現を目指して取り組むとしたが、参加者からの「手間がかかる有機農業で全面積の25%という目標達成には支援と出口対策が必要」という意見には「みどり戦略では有機農業推進がとかく注目されるが、14ほどある目標の一つだということ。既存技術と今後開発される技術で挑戦してほしい。出口対策は議論を続けている」と回答した。
畑作関連では畑作物の直接支払交付金について、資材価格高騰分はあくまで緊急対策で対処し、交付金はあくまでも算定式どおりに改定するという回答に終始した。
酪畜関連では「乳価期中改定で飲用が10円上がっても道内は加工向けが主であり、コスト上昇分をカバーできない。補給金の期中改定はしないのか」という問いに、「飼料高騰による上げ要素、乳牛償却費による下げ要素などがあるため、慎重に検討したい」と答えるに留まった。
生産資材高騰対策では、参加者から肥料緊急対策の精算、支払い時期について問われ、「道と都府県、また道内でも地域差があると思うが、現場の動きを見て相談する。道内での支払いは春以降となるかと思う」との見通しを示した。
情報通信網については、「携帯電話の不感地帯において農作業事故やクマとの遭遇などがある」との懸念には、「基地局整備支援があるので、まずは場所を特定して自治体と相談していただきたい」とした。